『ダ・ヴィンチ・コード』を読んだときも感じたのですが、最近の文庫本は、活字のポイントのサイズが大きくないですか? ページ数を稼ぎ、値段をつり上げる陰謀でしょうか。それとも、最近の人は細かい字でページが埋まっていると、読書欲がそがれるんでしょうか。
本書は、1955年に刊行されました。
国産ミステリーは、ジュブナイルから始まって乱歩、松本清張の代表作をいくつか、森村誠一、横溝正史を数冊。それ以外は、もっぱら翻訳物を乱読していました。その後は、土屋隆夫、仁木悦子、天藤真当たりを愛読。なんでもとりあえず手を出してみて、赤川次郎や西村京太郎、山村美沙、等々、読んだことがない作者さんの方が少なかったかもです。島田荘司、宮部みゆきに出会ってしばらく読み続け、東野圭吾を手当たり次第、それから最近また他の作者のものを乱読中、といった具合です。
もちろん、ミステリーは楽しい息抜きでした。
高木彬光氏の作品は、おそらく初めて。『白昼の死角』はドラマで見た記憶はあります。
作者の加筆訂正がなされた新装版本書は、たぶんいわゆる差別用語を極力排除したのではないかと思われます。50年前という古さはあまり感じないほど読みやすくなっています。トリックもわかりやすいので、もしかしたら初心者向けとしては最適かもしれません。ミステリーを読み慣れていれば、犯人、トリック、動機、
共犯者、ほぼ完璧に見破れるでしょう。古典は姑息なトラップなしの直球が多いわよね。
この古典的名作も、換骨奪胎されて、あちこちのミステリーに使われてる気がするわ。
≪
ポジション的には怪しさ満点の沢村幹一を犯人だと疑った決定的なポイントは、食堂車での健啖ぶりでした(笑)。「大きな仕事」って殺人じゃねぇかよ。≫